福岡市東区の食生活改善推進養成員が食生活に関する情報を発信
毎日の食卓を充実させ、地域の健康づくりを行うことから出発した食生活改善推進員は、「食生活を改善する人」を意味します。
ひとりひとりの豊かな感性と知性、経験を結集し、“私達の健康は私達の手で”をスローガンに、食を通した健康づくりのボランティアとして活動、全国に協議会組織を拡げています。
食生活改善推進員のはじまり
食糧が十分でなかった昭和20年代に端を発するこの組織は、もともと各都道府県の保健所で行われていた主婦を対象とした「栄養教室」から始まりました。
そこで健康生活について正しい知識と技術を学習し、自らが健康生活の実践者となった意欲的な主婦のグループが、食生活改善推進員のパイオニアなのです。
地道に活動を続けてきたこの運動は、のちに政府が推進することになります。
昭和58年、厚生省は、食活改善推進員を33万人養成し、すでに栄養教室を修了して活動していた会員15万人と合わせて、将来48万人に増やそうと計画し、各県では、70世帯に一人の割合で、食生活改善推進員の養成がすすめられました。
さらに、昭和63年には婦人の健康づくり事業の一環として、食生活改善推進員養成事業が予算化され、国の補助事業となり各県で養成事業が進められました。
平成9年になると地域保健法が施行され、食生活改善推進員の養成を含む「婦人の健康づくり推進事業」が一般財源化され、地方交付税に組み込まれました。
このことから、これまで県の保健所で実施されていた食生活改善推進員の養成は、市町村に委譲され実施されることとなり現在に至っています。
食生活改善推進員は、平成6年には公募により愛称を「ヘルスメイト」と変え、さらに地域に密着した活動を進めています。
また、平成17年の食育基本法の施行に伴い「食育アドバイサー」として、保育所や幼稚園、小学校などで郷土料理・行事食や食育講習会を行っています。
なお、平成24年度から新たに男性会員の加入が決定されたことにより、地域住民に対し生涯を通じた食育の推進、健康づくりの担い手としての活躍が、ますます広がって行くことが期待されています。
福岡市東区でのとりくみとこれからの役割
協議会組織の輪は福岡市にも拡がり、そして根付きました。
高度成長期といわれる経済成長を遂げていた昭和47 年、福岡市食生活改善推進員協議会は、会員数100名で産声を上げ、食を通じた社会参加・社会奉仕を行ってきました。
福岡市の各区が力を入れ、東区においても定期的に開催されている「食生活改善推進員養成教室」もその1つです。
この講座を修了して「市町村食生活改善推進員協議会」に入会した会員が、「健康づくりのための食生活」を地域で普及させる活動を行います。
そして、食育推進の担い手「食育アドバイザー」は、子どもから高齢者まで、健全な食生活を実践することのできる食育活動にとりくみ、食事バランスガイドの普及・地産地消・郷土料理や行事食、食文化の継承などの情報発信を通して食育を捉え、東区に密着した健康づくり活動を進めます。
まとめ
食べることは生きることの基本です。
地域の健康づくりの輪が食生活改善推進員の力で地域全体に広がっていくことを期待しています。
現在では、65歳以上の高齢者が、4人に1人となる超高齢社会になりました。
食生活改善推進委員は「元気で長生きで健やかに過ごせる長寿社会」を目指して活動を進めてきましたが、超高齢化社会の下、日頃の食生活に起因する生活習慣病の増加が大きな問題となっています。
このような状況を背景に食生活改善推進員は、「私達の健康は、私達の手で」をスローガンに、バランスのとれた食生活の定着を目的に、自主的な活動と行政への支援活動の両面から進めています。
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