福岡市が取り組む住まいの支援について!居住支援協議会の概要をご紹介
高齢であることや、保証人・緊急連絡先がないことを理由に、賃貸住宅の契約を断られたらどうしますか?
実際に各都道府県でそのような事例が多く報告され、福岡市も例外ではありませんでした。
そこで、福岡市は平成21年3月、居住支援協議会を設置し、住宅困窮者の状況や民間賃貸住宅市場の動向などの情報を共有するとともに、民間賃貸住宅を活用した住宅困窮者の円滑入居支援策を推進する活動をしています。
要綱では以下のように定められています。
居住支援協議会とは、低額所得者・被災者・高齢者・障がい者・子どもを育成する家庭その他、住宅の確保に特に配慮を要する者(以下、「住宅困窮者」という)の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るため、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」に基づき、地方公共団体や関係業者、居住支援団体等が連携し、住宅困窮者及び民間賃貸住宅の賃貸人の双方に対し、住宅情報の提供等の支援を実施する。
つまり、住宅困窮者と民間の住宅業者との橋渡し役となり、円滑な入居やそれに付随するサービスをサポートしてくれる団体なのです。
居住支援が必要となる背景
高齢化や所得格差の拡大により、住宅困窮者は多様化し増加傾向にあります。
しかし、一部の民間賃貸住宅では、住宅困窮者の入居を制限する状況があり、民間賃貸住宅の空き家率は約16%(平成15年住宅・土地統計調査)となっています。
さらに、民間賃貸住宅事業者の約6割が、特定の世帯に対して何らかの入居制限を行っているのが現状です。
そのため、賃貸住宅市場全体による適切な役割分担が必要とされ、行政と住宅事業者等の連携による支援策が急務となりました。
そこで、行政・公的賃貸住宅の各事業主体・民間の賃貸住宅事業者・NPO法人等の民間団体が一体となった居住支援協議会が設立され、住宅困窮者の居住支援策の充実を図るに至ったのです。
福岡市居住支援協議会では、利用者拡大への取り組みとして、高齢者向け住宅の情報を簡単に入手できるように、福岡県宅地建物取引業協会のHP『ふれんず』を改装。
高齢者であることを理由に入居を拒まない住宅である「高齢者入居支援賃貸住宅」の物件の検索ができるようになりました。
また、そのほかにも住宅入居に付随するサービスを行っています。
①見守りサービス
・定期サービス 定期的な訪問等による利用者の生活状況の確認
・生活支援サービス 日常生活に関する相談 福祉
・介護サービス利用への助言
・入退院時支援サービス 入退院時の送迎
・手続きの代行
②預託金によるサービス(預託金30万円以上)
・葬儀の実施
・残存家財の処分 など
実際に利用された事例をご紹介
居住支援協議会のサービスを利用した事例をご紹介します。
なお、現在は本格的事業確立のためのモデル事業期間とし、各事例についてモデル事業と称しています。
■82歳女性 マンション4階(EVなし)での一人暮らし
親族 : 弟がいるが高齢、甥は遠方
疾患 : 心疾患(ペースメーカー) 身障1級
収入 : 年金
215,000円/月
債務 : 家賃3カ月分(180,000円)、社会保障料等(200,000円程度)
課題 : 階段からの転落による骨折。
その後、心筋梗塞を発症し治療費がかさんだことで家賃を滞納し、退去を命じられた。
自身で不動産店をまわるが、部屋を借りることができなかった。
(支援策)次のサービスをコーディネートして提案
①見守り :「ふれあいネットワーク」によるボランティアの定期訪問
②貸付 : 生活福祉資金「転宅費」の利用
③家計相談 : 生協が行う家計相談を利用
④家財処分 : 不要な家財の処分引越支援
⑤手続支援: 民生委員による引越前のフォロー
(支援策の結果)モデル事業による支援で住替えが実現し、在宅生活を継続中
福岡市居住支援協議会では、このようなモデル事業を展開し、事業の検証や研究、課題に対する検討を行い、事業手法の確立をめざしています。
今後は高齢者世帯だけでなく、その他の住宅困窮者 (障がい者世帯,外国人世帯,子育て世帯等)への対象拡大や、事業財源を確保する仕組みの構築などを行い、モデル事業終了後も永続的に事業を実施するとしています。
まとめ
高齢化社会の中、多くの人は老後や年金について不安を持っています。
一人暮らしの高齢者も増加し、「長生きがリスク」になってしまっている現状は否めません。このような状況でも、行政が主導するサポートがあれば、誰もが安心して生活できます。
常に、「住みたいまち」ランクの上位に上がる福岡市。
このようなきめ細かいサービスに支えられているのですね。
私たちジェントルホームズでは、福岡市を中心に不動産を多数取り扱っております。
住まい探しでなにかお困りでしたら、お気軽に当社までご相談ください!